アーリン・コードの軌跡:狼男のプレインズウォーカー
アーリン・コード:狼男の灯と多元宇宙の旅
この記事では、次元イニストラード出身の狼男のプレインズウォーカー、アーリン・コードの軌跡を追います。彼女は生まれながらの狼男ではなく、若い頃にその性質を得て以来、自身の存在と向き合い、次元を渡る旅を経て、多元宇宙の危機にも深く関わってきました。その独自の視点と能力は、しばしば重要な局面で物語を動かす要因となっています。
イニストラードでの出自とその苦悩
アーリン・コードは元々イニストラードのステンシア州、クルーインの一族出身の人間でした。自然との繋がりを愛する彼女でしたが、ある夜、狼男の襲撃に遭い、自らも狼男になってしまいます。イニストラードにおいて狼男は忌み嫌われる存在であり、自身の制御できない衝動と人間に戻れない苦悩に直面しました。
彼女は群れに加わらず、一匹狼として生きる道を選びますが、その中で自身の内なる獣との調和を模索します。狼の形態になった際にプレインズウォーカーの灯が点火し、彼女はイニストラードを離れて多元宇宙を放浪する力を得ました。この灯は、彼女が人間と狼の形態の間を自由に制御できるようになるきっかけを与えました。
ゲートウォッチとの協力:イニストラードを覆う影
アーリン・コードがMTGの物語で主要な役割を果たすのは、主に『イニストラードを覆う影』ブロックからです。この時、イニストラードは古のエルドラージ、エムラクールによって異形化の危機に瀕していました。
エムラクールの影響は次元全体に及び、人々の正気を奪い、狼男たちの野生の衝動をも増幅させていました。アーリンは自身の内なる狼との調和を図る力を利用し、イニストラードの狼男たちに抵抗するよう説得を試みます。
この時期、イニストラードに集結していたゲートウォッチのメンバー(ジェイス・ベレレン、ソリン・マルコフ、タミヨウ)と遭遇し、エムラクールに対抗するために協力します。狼男の群れを率い、エムラクールの軍勢と戦う彼女の姿は、この次元の希望の一つとなりました。最終的にエムラクールはタミヨウの力によって月へと封印され、イニストラードは破滅を免れますが、異形化の影響は次元の各地に残りました。アーリンはエムラクールとの戦いを通じて、自身の狼男としての力とプレインズウォーカーとしての責任を受け入れていきます。
多元宇宙での戦い:アモンケットから灯争大戦へ
イニストラードでの出来事の後、アーリンは再び多元宇宙を旅します。彼女はアモンケット次元がニコル・ボーラスの支配下にあることを知り、ボーラスの圧政に抵抗するレジスタンスに加わります。ここではボーラスの軍勢である《永遠衆》との戦いに身を投じました。
そして、物語はラヴニカでの『灯争大戦』へと繋がります。ニコル・ボーラスが全プレインズウォーカーの灯を奪う儀式を敢行した際、アーリンもまたラヴニカに集結した多くのプレインズウォーカーの一人として戦いました。彼女は自身の狼男の形態を駆使し、ボーラスの軍勢やファイレクシアの侵攻に対抗する戦線で活躍しました。特に、彼女の野生の力は、秩序だったボーラスの軍勢にとって予想外の脅威となりました。
ファイレクシアとの衝突:機械兵団の進軍
灯争大戦後もアーリンは多元宇宙の出来事に関わり続けます。そして、新ファイレクシアが多元宇宙全体への侵攻を開始した『機械兵団の進軍』では、彼女はファイレクシアに対抗する側の重要な戦力となりました。
イニストラード出身である彼女は、次元がファイレクシアによって侵略され、多くの住人がファイレクシア化されていく様子を目の当たりにしました。自身のホーム次元を守るため、そして多元宇宙全体の自由のために、彼女は狼男の力を最大限に発揮して戦いました。この戦いでは、他のプレインズウォーカーや各次元の英雄たちと共に、ファイレクシアの脅威に立ち向かいました。彼女の狼男としての本能と、自由と野性を愛する心は、全体主義的なファイレクシアの性質とは対極にあり、その抵抗の象徴の一つとなりました。
まとめ:自由を求める狼の旅
アーリン・コードの軌跡は、自身の制御できない性質を受け入れ、それを力に変えていく過程の物語です。イニストラードでの孤立から始まり、自身の内なる狼との調和を経てプレインズウォーカーとして覚醒した彼女は、次元を渡り、様々な危機に立ち向かってきました。
エムラクールやニコル・ボーラス、そして新ファイレクシアといった多元宇宙を脅かす存在との戦いにおいて、アーリンはその野生的な力と自由への強い意志で重要な役割を果たしました。彼女の物語は、自己受容と、自身のルーツや本質を力として戦うことの重要性を示唆しています。今後のMTGの物語においても、狼男のプレインズウォーカーとして、アーリン・コードがどのように多元宇宙に関わっていくのか、その動向は注目されるでしょう。